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島原市

島原市で一番多い年齢層はどこかを見てみた

 

島原市へ向かうとき、私がいつも意識するのは国道251号の流れだ。
島原港へ向かう人たち、島原城を訪ねる人たち、そして日常の買い物へ向かう地元の人たち。そのすべてが同じ場所で交差していて、街のまとまりの良さを感じる瞬間がある。

そんな島原市を支えているのは、今どんな年齢層なのか。
子育て世代なのか、現役で働く世代か、あるいはもう少し上の世代か。
それが気になって、人口を5歳刻みで見てみた。
どの年代が一番多いのか、じっくり確認してみたくなったのだ。

そして見えてきたのは、島原市では70歳から74歳の層が最も多くなりやすい、という現実だった。
年によって多少の変動はあるけれど、この年代が島原市の年齢ピラミッドの頂点になることが多い。

70代前半が最も多いというのは、ただ高齢化が進んでいる、というだけでは語れない。
この層はまだ車の運転もできて、買い物や通院を自力でこなせる人が多い。
つまり、日常の風景を支えている主役がここにいる、ということになる。

 

昼の街が強くなるという変化

人口構成の中心が70代前半になると、街の動き方が変わる。
若い世代が多い街では夕方や夜に人が集まりやすいが、70代前半が主力になると、朝から昼にかけてが街のゴールデンタイムになる。

例えば、午前中に用事を済ませて昼前に買い物。午後の早い時間には帰宅している。
このリズムが「普通」になってくる。

島原市では、イオン島原店のような大型商業施設が、平日の昼に活気づく。
公共施設でも同じで、島原文化会館や島原復興アリーナの利用が日中に集中しやすい。
さらに、島原城やしまばら水屋敷、四明荘のような観光地も、地元の人が散歩やちょっとした外出で訪れる場所になる。観光と生活が自然に交差する。

つまり、昼が生きる街になる。
その一方で、夜の動きは細くなる。
夜の営業をどうするか、若い世代を呼び込めるか、そういった課題が静かに浮かび上がってくる。

私が不安に感じるのは、今ピークにある70〜74歳が5年後には75〜79歳になり、10年後には80代に突入するということ。
年齢の山は、そのまま少しずつ上へ移動していく。
そして街の「普通」も、それに引っ張られて少しずつ変わっていく。変化は静かだけど、確実だ。

 

なぜ70代前半が一番多くなるのか考えてみる

ここからは、私なりの仮説。

まずひとつ目。
若い世代が島原を出て、戻ってこないことが多い。
進学や就職で市外に出た人が、そのまま都市部で生活を続けるパターンが目立つ。
島原市にも港や幹線道路があるとはいえ、毎日通うには少し距離がある。諫早や長崎市のような通勤圏とは性質が違っていて、それが定着の差につながっているのではないか。

ふたつ目。
全国的に見ても、団塊世代を中心とした人口の山が高齢側へ移動してきている。
島原市もその流れを受けていて、若年層が抜けることで高齢の山がより目立つ構造になっている。

そして三つ目。
島原市は生活圏がコンパクトにまとまっていて、暮らしやすい。
役所、病院、商業施設など、用事が一か所で済む。
それが「動きやすさ」となって、長年住んでいる人にとっての安心感になる。
すると、住み続ける人が多くなる。その結果として、同じ世代の厚みが保たれやすくなる。

この三つが組み合わさって、70〜74歳が最も多いという形が自然にできあがっているように見える。

 

雲仙市と南島原市と比べて見えてくること

島原市だけを見ていてもわからない部分があるので、周辺の雲仙市と南島原市とも比べてみた。

雲仙市は観光と生活が同居する町で、小浜温泉や雲仙温泉のような観光地を抱えている。
市内の暮らしの中心がいくつかの地域に分かれていて、全体としては60代後半に年齢のピークがある印象を受ける。(雲仙市の人口

南島原市は、さらに分散型。
地区ごとに暮らしの重心がばらけていて、それぞれの地区に小さな中心がある。
このため、70代前半が厚くても、島原市ほどの集中感は出にくい。(南島原市の人口について

島原市は、生活の拠点が一つにまとまっている「集約型」の街。(島原市の人口事情
一方、雲仙市や南島原市は「分散型」の暮らし方が残っている。

この違いが、人口構成の見え方や影響の出方に現れる。

集約型の利点は、便利さが生まれやすいこと。
でも同時に、若い世帯が少ないと縮みも一気にやってくる。
そこが怖さでもある。

 

新城市や小林市とも比べてみた

人口規模が島原市に近い愛知県新城市と宮崎県小林市とも比べてみた。

新城市は都市圏との距離がある山間部の街で、70代前半が人口の厚みを作っている。
構造としては島原市とよく似ていて、高齢層が生活の中心を担っている。(新城市の人口調査記事

小林市も農業が盛んで、人口の推移は島原市に近い。
こちらも高齢化が進み、年齢のピークは島原市と同じように70代前半に来やすい。

ただ、小林市は周辺市町とのつながりが多く、地理的に出入りの自由度が高い。
その分、人口の山がなだらかになる傾向がある。
一方で、島原市は半島の地形上、どうしても出入りが絞られる。
だからこそ、年齢の山が目立つ形になるのかもしれない。

この三つの市を並べてみると、地方都市が人口減少局面に入ったとき、70代前半が頂点になる「定番の形」があるようにも見える。
そして島原市は、その標準的なパターンをしっかりなぞっている。

 

島原市で一番多いのは70〜74歳

あらためて書いておく。

島原市で最も多い年齢層は70〜74歳。
この層が、島原の街の真ん中にどっしりと座っている。

この数字をただ知るだけでは意味がない。
それが街の風景にどう現れてくるか。
昼の動きが強くなり、夜の街が静かになる。
公共施設や商業施設の稼働時間が、自然と高齢層のリズムに合わせられていく。

そしてその人たちが、10年後にはさらに高齢になっていく。
そのとき、今と同じ形では支えきれないことも出てくるだろう。

島原城や湧水の風景は、急には変わらないかもしれない。
でも、街の「普通」は確実に、少しずつ変わっていく。
私はその変化を、これからもちゃんと見ていきたいと思っている。

 

 

 

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島原市   2025/11/11   諫早開発陣